『シアー・ハート・アタック』 (Sheer Heart Attack) は、イギリスのロックバンド、クイーンの3枚目のアルバムである。
解説
クイーンは自分たちの世界を本国イギリス、日本についで、大国アメリカへと広げていった。本アルバムは、彼らの音楽が初めてアメリカで受け入れられたと言ってよい1枚である。ジョン・ディーコンの作った曲が収録され始めたのもこのアルバムからである。
本作のレコーディングは、1974年7月から9月にかけて行なわれ、初期2作と異なり、本作はトライデント・スタジオのほか、AIR、ロックフィールド・スタジオ、ウェセックス・サウンド・スタジオの4つのスタジオで作業が行なわれた。このセッションの直前、バンドは1974年4月よりモット・ザ・フープルの前座として初の北米ツアーに参加していた。しかし、ギターのブライアン・メイがツアー前に受けた予防接種で消毒不十分な注射針が使用されたことにより肝炎を患い、ツアーは途中で中止となりメイは入院。メイの復帰後に、アルバムのレコーディングが続行されたものの、メイが十二指腸潰瘍を患ってしまった。これにより、メイの回復までの間、メイのギターソロを入れる余地を残す方でレコーディングを続け、復帰後にギター・パートとボーカル・パートが追加することで完成させた。
アルバムタイトルは、日本語で「突発的な心臓発作」という意味だが、隠語で「暗殺者のナイフ」あるいは「心臓を一突き」という意味があり、デジタル・リマスター版CD (EMI:TOCP-8273) の日本語解説ではこちらの意味とされている。
また、このアルバムの同名曲であるロジャー・テイラー作の「シアー・ハート・アタック」は本アルバムには収録されておらず、3年後に発売されたオリジナルアルバム『世界に捧ぐ』に完成形として収録された。
収録曲
特記を除き、リード・ボーカルはフレディ・マーキュリーが担当。
パーソネル
※出典
- フレディ・マーキュリー – リードヴォーカル、コーラス、ピアノ、ハモンドオルガン(#6)、タック・ピアノ(#2, #11)
- ブライアン・メイ – ギター、コーラス、ピアノ、バンジョーウクレレ(#11)、リードヴォーカル(#12)
- ロジャー・テイラー – ドラムス、パーカッション、コーラス、リードヴォーカル(#3)
- ジョン・ディーコン – ベース、アコースティックギター、エレクトリックギター(#10)、コントラバス(#11)
チャート最高順位
- 全英:2位(ミュージック・ウィーク)
- 全米:12位(ビルボード、Billboard 200)
- 日本:23位(オリコン)
脚注



