変ハ長調(へんハちょうちょう)は、西洋音楽における調のひとつで、変ハ (C) 音を主音とする長調である。調号はフラット7箇所 (B, E, A, D, G, C, F) である。

音階と和音

赤マスは一般に臨時記号により表される。

和音は上段に自然音階、中段に和声的音階、下段に旋律的音階下行形で考えたもの。
その他のコードネームも実際の楽譜では異名同音的に変えられることがある。

特徴

調号はフラットを7つ使い、さらにダブルフラットが頻発するため、ロ長調の方が調号が少なく(シャープ5つ)読譜が容易であり、変ハ長調が持たない同主調・下属調・下属調平行調を含めて関係調をすべて持つなど利便性が高いため、通常はロ長調が用いられ、変ハ長調はほとんど用いられない(変ハ長調と同じく調号7箇所の嬰ハ長調や変イ短調は同主調を持っているのである程度は使われる)。数少ない例としては、グリエールのハープ協奏曲の第2楽章が変ハ長調となっている。

コンサート用のハープは、各オクターブ内の7音に相当する7本のそれぞれの弦がフラット、ナチュラル、シャープを持っており、フラットが開放弦となるので、すべての音がフラットの状態、すなわち変ハ長調の状態でチューニングを行う。このためハープでロ長調の曲(ストラヴィンスキーの火の鳥フィナーレなど)を演奏する場合は、変ハ長調に書き換えて演奏することがある。

シューベルトは特にピアノ曲においてこの調を好んだ様で、ソナタなどの主調で使う事はなかったものの、曲中の転調部分で使っている例を若干見る事ができる。

変ハ長調の曲の例

Category:変ハ長調を参照。


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