スカフォグナトゥス (Scaphognathus 「舟の顎」) は、ジュラ紀後期にドイツ周辺に生息していた翼竜。翼開長は約90センチメートル。

記載

スカフォグナトゥスには3つの標本が知られているが、その全てがキンメリッジ階のゾルンホーフェン石灰岩産である。頭蓋骨におけるいくつかの顕著な差を除けば、全体の骨格はランフォリンクスに酷似している。

一例として、スカフォグナトゥスはランフォリンクスに比べてあまり鋭くない口先とより大きい前眼窩窓をそなえた相対的に短い頭蓋骨(11.5センチメートル)を持つ。その歯は水平方向ではなく垂直方向に伸びている。これまでの研究では上顎に18本、下顎に10本の歯があるとしていたが、ベネット (S. Christopher Bennett) は第3の標本である SMNS 59395 を調べ、2004年に上顎の歯は16本しかなく、これまでの計数超過は生え替わり途中の歯を間違って数えていたことによると発表した。

スカフォグナトゥスの強膜輪を現生の鳥類や爬虫類と比較することにより、スカフォグナトゥスは昼行性だったことが示唆されている。これは夜行性だったと推測されているクテノカスマやランフォリンクスなど同時代の他の翼竜とのニッチ分化を示している可能性がある。

名称

スカフォグナトゥスの最初の標本は最も初期に発見された翼竜標本の一つで1831年にボン大学教授のゴルトフス (August Goldfuss) によって記載されたが、彼は尾が保存されていない標本を間違えてプテロダクティルスの新種とし、Pterodactylus crassirostris と命名した。種小名はラテン語で「厚い口先」という意味である。この標本は完全な成体になる直前の段階で、翼開長は0.9mほどであり、アイヒシュテット近郊のゾルンホーフェンの地層から発見された。1858年、ヴァグナー (Johann Wagner) はこの標本をランフォリンクス属に移動した。ヴァグナーは口先の形状がランフォリンクスと根本的に異なる点に注目し、1861年になって、下顎先端の鋭くない形状を由来として、ギリシア語の σκάφη 「舟」・γνάθος「顎」から ランフォリンクス属とは別属の新しい属 Scaphognathus と命名した。なおヴァグナー以前に Leopold Fitzinger と Christoph Gottfried Andreas Giebel がこの標本に新属名を名付けようとしたが、既に使われている名前だったため命名には至っていない。

20世紀初頭にミュールハイム (Mühlheim) で2番目の標本が発見され、それが長い尾を持っていたことからスカフォグナトゥスの"嘴口竜亜目"としての体制が確認された。スカフォグナトゥスの第2標本は最初の標本より完全だったが、大きさは半分ほどしかなく(約50センチメートル)、部分的にしか骨化していなかった。これらの特徴から第2標本は若年個体だったと考えられている。

分類

下記のランフォリンクス科のクラドグラム(系統樹)はAndres & Myers による大規模な系統学的研究 (2013) の結果に従っている。

関連項目

  • ゾルンホーフェン石灰岩
  • ランフォリンクス

出典

参考文献

  • Fantastic Facts About Dinosaurs (ISBN 0-7525-3166-2)

外部リンク

  • The Pterosaur Database (pdf)

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