ワイルド・ワールド」(Wild World)は、キャット・スティーヴンスが1970年に作詞作曲し発表した楽曲。翌1971年にアメリカでシングルカットされヒット。多くのカバー・バージョンを生んだ。

概要

当時スティーヴンスは女優のパティ・ダーバンヴィル(Patti D'Arbanville)と交際していた。ダーバンヴィルとの関係を題材にスティーヴンスはいくつかの曲を書いた。「ワイルド・ワールド」もその中の一つ。録音は1970年7月、ロンドンのモーガン・スタジオで行われた。同年11月発売のアルバム『父と子(Tea for the Tillerman)』に収録された。アルバムはBillboard 200で8位を記録し、ゴールドディスクに認定された。

1971年1月にアメリカでシングルカットされた。B面は「遥かなる愛の地(Miles from Nowhere)」。同年4月10日付のビルボード・Hot 100で11位を記録した。ビルボードのイージーリスニング・チャートで21位、カナダで14位を記録した。

2008年に発売されたアルバム『父と子』のデラックス・エディションにデモ・バージョンと、2007年にロンドンで行ったライブ音源が収録されている。

論争

「ワイルド・ワールド」が女性を見下している作品だと考える批評や音楽ライターは少なくなく、議論を引き起こしている。端緒となったのはジャーナリストでフェミニストのエレン・ウィリスが書いたエッセイだった。

以来、このメソッドは「The Willis test」と呼ばれるようになった。

カバー・バージョン

  • ジミー・クリフ - 1970年のシングル。全英シングルチャートで8位を記録。
  • トゥモローズ・チルドレン - 1970年のアルバム『The Going's Great』に収録。
  • ホセ・フェリシアーノ - 1971年のアルバム『That the Spirit Needs』に収録。
  • リル・リンドフォシュ - 1971年のアルバム『Sång』に収録。スウェーデン語詞。タイトルは「En hård värld」。
  • マル - 1971年のアルバム『Mal』に収録。イタリア語詞。タイトルは「Ragazzina senza cuore」。
  • ザ・ジェントリーズ - 1972年のシングル。
  • マッティ・エスコ - 1973年のアルバム『Aikaa sulta pyydän』に収録。フィンランド語詞。タイトルは「On maailma suuri」。
  • ジョナサン・キング - 1987年のシングル。
  • マキシ・プリースト - 1987年のアルバム『Maxi』に収録。翌1988年にシングルカットされ、全米25位、イギリスで5位を記録した。
  • MR. BIG - 1993年のシングル。全米27位を記録。
  • ダミアン・リース - 2008年のアルバム『Catch the Wind - Songs of a Generation』に収録。
  • リーム・リューバニ - 2015年公開の映画『ロック・ザ・カスバ!』のサウンドトラック。
  • ビル・オーヴァートン - 2016年のアルバム『Always in My Heart』に収録。

脚注


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『World Ⅱ World(ワールド・ツー・ワールド)』第1弾プロモーション映像 YouTube

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